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ジュダン・ポラック | March 15, 2022

Grey、Aリスト2022 カムバック・エージェンシー・オブ・ザ・イヤー受賞

Grey、成功を重ねて「死」から復活

広告代理店が死から蘇るのは稀なことです。

2020年11月、WPPがGrayとAKQAを新しい「グローバル・クリエイティブソリューション・ネットワーク」であるAKQAグループに統合することを発表した時点では、遺物となったGrayブランドは消滅する想定でした。Ad Ageはこの動きを墓碑銘と共に報じました。「Grey、AKQAを残してここに眠る」。

しかし、Greyの終焉というのは大げさでした。実際にはその墓石は、104年の歴史を持つ代理店がラザロのように生き返るきっかけになったのです。Greyグループ・ワールドワイドCEOのマイケル・ヒューストンは「それが結集の契機になりました」と述べています。「以前から多様性や人種間の緊張の高まりについて議論してきたところにパンデミックが重なりました。ですから、意図的にせよ既定路線にせよ、あるいは運が良かっただけにせよ、私たちはいろいろな意味でパンデミックへの心構え、つまり、自分たちの死と向き合うという共通の運命を担う態勢ができていたのだと思います」。

返り咲き

Greyは8,800万ドル規模の新規事業を獲得し、収益を2億5,800万ドルに伸ばしました。MassMutual、ラスベガス・コンベンション・観光局、モデロ、IHGホテルズ、ジョージア・パシフィックのエンジェルソフトをはじめとするアカウントが新規で加わりました。Greyのヘルスとウェルネス関連の取り組みも、イーライリリー、ジェネンテック、ジョンソン・エンド・ジョンソンで成功を収めて存続しています。Greyは、WPPが大規模なコカ・コーラのアカウント統合を獲得する際の要になりました。ワールドワイド・チーフ・クリエイティブオフィサーのハビエル・カンポピアーノがその審査の窓口を務めたのです。クリエイティブの分野では、Greyが支援するCartwrightとプロクター・アンド・ギャンブルの継続的なコラボレーション、人種問題の挑発的な対話のプラットフォーム『画面を広げよう』で評価を高めました。また、ジレットのヴィーナスの企画で、歌う陰毛のアニメを採用してタブーを破りました。

「Fancy Like」のTikTokダンスで話題になったカントリー歌手のウォーカー・ヘイズのアップルビーズへのトリビュートをしかけたのもGreyです。オンラインでの視聴回数は6,000万回にのぼり、6月30日までの3カ月間でアップルビーズ・チェーンの米国内の売上は2倍になりました。

また、仮想のフェイク・フレーバーとしてプリングルズ・クリプトクリスプをつくり、NFTとして販売しました。そのプッシュは24時間で9,200万インプレッションを記録しました。

「データとストラテジーを結びつける戦略的なアプローチで勢いがつきました」とヒューストンは説明しています。「次々に成功を重ね、着実に自信を深めたのです」。

「ネットワーク型代理店」

成功例のひとつが4月のMassMutualでした。審査を担当したSunday Dinnerのコンサルタント、リンジー・スラブは「初ミーティングでの姿勢から採用のプロセスまでGreyが一貫して重視しているポイントがありました。耳を傾ける、ということです」と述べました。また、Greyの柔軟性も重要な要因だったと指摘しています。「私が思っていたのと正反対で、仕事の進め方や仕組みがとても柔軟です。Greyはクライアント・ファーストの姿勢を体現しています」。

それが可能になったのは、コラボレーションを阻む壁を取り払ったからだとGreyは述べています。グローバル・クリエイティブ会長のジョン・パトロウリスが「私たちは代理店ネットワークではなく、ネットワーク型代理店です」と言うとおりです。ヒューストンは「その呼び方や資金の流れはあまり気にしません。財務担当者がすべて把握していてくれるからです」と述べました。

「私たちは、クライアントが必要としていること、そしてそれを実現する手立てを重視します。政治や官僚主義を取り払えれば、頭のいい人は頭のいい人と協力して、良い仕事をしたいと思うものです」。

ここで先の墓碑銘が思い出されます。「ビジネス、仕事、そしてカルチャーにおいて、一番大事なのは才能ある人材だと考えるきっかけになりました。ニューヨークでは特にそうです」。ニューヨーク・チーフ・クリエイティブオフィサーのジャスティン・アーマーは述べました。「今後、どのような企業にしていきたいのかということを重視するようになりました」。

「やりたいことがたくさんあります。理想の姿にはまだまだ遠いです」とヒューストンは言いました。カムバック・エージェンシー・オブ・ザ・イヤー受賞で「今年の活動への決意が新たになりました。ここまで達成できたことを嬉しく思います。さらに上を目指していきます」。

Ad Age エージェンシーAリストで取り上げられています。